国際美容医療研究会 Summer Seminar 印象記

国際美容医療研究会 会長 當山 護

美容外科・形成外科に限らず、手術や治療内容は秘密にすべきものではないと信じております。

理由は他人の身体に施される人工的損傷を伴う行為だからです。

この考え方は昔から不変であり、これからも変わりなく存在しなければならないものであります。

然るに昨今の美容外科医の中には秘伝めかして治療が行われ、かつ一般受けする名前の手術法が横行している感があります。(例えば夢のリフトやミラクルリフトなど)

美容外科ではキャッチフレーズ的ネーミングをするのはある程度やむを得ぬ部分はあるかも知れません。

然し、どのようなネーミングにしろ内容は学会等で公表し、その利点と欠点を専門誌で明らかにしなければなりません。

秘密にする事自体、医の倫理の欠如となるでしょう。
そして医の倫理は美容医療こそ最も大切になされるべきものです。

云う迄もなく元来が健康の人を対象として治療が施されていく事から当然の事でしょう。

云いかえればひとつの悪い事例が全体への評価となって跳ね返ってくるのが現今の社会であり、ひとりのみの勝者がいてはいけない運命にあるのが美容医療と云い切っても過言ではない領域なのです。

全体のレベルアップを計るWin Win Relationshipにあるのが美容医療であります。

若い医者もお年寄りの医者も勤務医も開業医も医療関連メーカー様や代理店の皆様方もお互いの立場と利点を持ち寄り、欠点を補い日本の美容医療をより良い方向へ向ける努力をする事、この一言に尽きます。

そうしますとこの美容医療と云う世界には輝かしい未来が開けますし、ひるがえって美容医療を利用しようとお考えのお客様に立派な結果として還元され喜ばれます。

その意味合いで我々は国際美容医療研究会を立ち上げましたが、我々が結集し目指す所は日本の美容医療が世界のリーダーと肩を並べる所を目指すからなのです。

その目的を持って先ずは第一歩として今回、重瞼と眼瞼下垂のおりなす微妙な味わいとなせる技をトコトン議論して頂きました。

特に今井先生は松尾本流の流れを組み、高見先生には眼科的視野を入れて下垂を語ってもらいました。

池田先生は独自の視点で古い術式の流れから新しい方向を目指す二重の手術を考案され、実践されている流れがありました。

これらの部分を含めて市田先生には二重手術の難しさと基本と云う点で講演会の流れを作って頂いたのは有難い事だったと思っております。

講師の先生方が微に入り細に入りビデオを使って会場に集まった方に分かりやすく説明して頂きました。

要するに二重や眼瞼下垂の奥義とも云うべき手術の内容を参加者全ての方々へ知らしめ、若い次世代の皆様方の輝かしき未来へ尊いご経験を持って導き下さった事に深く感謝致しました。

次回も必ず濃い内容で講演料金が無駄であったと思わせない充実した勉強会を企画させて頂きます。